ゾウムシ界の忍者・木遁の術


マダラアシゾウムシ Ectatorhinus adamsii Pascoe


マダラアシゾウムシ

左の写真をご覧ください.アベマキの幹の上で静止しているところを 正面から写したものです.いると分かっていて見ればすぐに見つけられますが,野外では林の中が薄暗いこともあって なかなか気づかないものです.白い斑紋,背中のこぶが実に見事に背景にとけ込んでいます.もっとも, 右の写真のように横から見ると簡単に分かってしまいますが.この虫は都会の近郊でもちょっとした雑木林があれば 比較的普通に見ることができます.
クチカクシゾウムシ族 Cryptorhynchini に属するゾウムシは比較的長い口吻を持っており, 典型的なゾウムシスタイルをしています.ゾウムシは何かに驚くと脚を縮めて死んだふり(擬死といいます)をしますが, この仲間は名前が示すように口吻をしっかり腹側の吻溝に納めて完全に丸まってしまいます. この長い口吻は枯れ木に孔をあけて産卵するのに使われます.


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