最も象虫の名ににふさわしいゾウムシ 


オオゾウムシ Sipalinus gigas (Fabricius)

オオゾウムシ

写真を見ていただけば「象」という名は納得できるでしょう.体長は3cm近くもありまさに貫禄十分です.
もっとも大きさの点でも,美しさの点でもヤシオオオサゾウムシがトップと思いますが,こちらの方はあまり「象」的ではありません. それに,分布が琉球(最近九州に分布を拡げている)と,まずここらでお目にかかる機会もないので(2003年10月三重県津市で見つかっています.),オオゾウムシこそ象虫の王様 といってよいのではないでしょうか.(ヤシオオオサゾウムシの見事な写真は沢田氏のページにあります.)
このゾウムシ分類学的にはオサゾウムシ科 Rynchophoridae に属していますが,日本産オサゾウムシ科の中ではほかに本種に似た種はいません. むしろ,外見はゾウムシ科 Curculionidae クチカクシゾウムシの仲間によく似ています.
東南アジアに広く分布しており,日本ではたいがいどこでも見ることができます.幼虫は枯れ木の材を食べて育ちます. 輸入木材に幼虫が入っていて日本で大量に羽化した例もあります. 成虫は初夏に樹液や落下した果実などに集まってくるので,その様な所を探していれば出会えることでしょう.成虫は長生きで1年以上も生きていますが, 古い個体は新成虫のような色彩や体表の彫刻がすり減って,真っ黒になってしまっています.


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