動物の名前を持つゾウムシ(2)


シギゾウムシ類 Curculionini


コナラシギゾウムシ


クヌギシギゾウムシの幼虫 シギゾウムシのシギは干潟などで見られる嘴の長い鳥のことです.日本産のシギゾウムシの仲間は50種以上がすでに記載されており, 木の実やアブラムシのゴールなどに孔をあけ産卵するための細長い口吻が特色で,中には体長の1.5倍以上の吻をもつ種もあります. また,効率よく孔があけられるよう後頭部が丸く自由に動くようになっていて,キリを揉むようにして堅い実にも孔をあけます. その姿形の良さからゾウムシのなかでも特にこの仲間に惚れ込んでいる人たちもいます.
上の写真は コナラシギゾウムシ Curculio dentipes (Roelofs) がコナラのドングリに産卵のため孔をあけようとしているところです. 背後にいるのはチョッキリゾウムシ科 Rhynchidae の ハイイロチョッキリ Cyllorhynchites ursulus (Roelofs) でやはりコナラの実に産卵します. ハイイロチョッキリはその名にもあるように産卵後ドングリをチョッキリと切り落としてしまいます.一方シギゾウムシ類は切り落とすことはしません. 産卵部位も両者で異なっています.ハイイロチョッキリは帽子(殻斗)の上から穿孔するのですが, コナラシギゾウムシは帽子のないところから穿孔しドングリの底の部分まで孔をあけ産卵します.
大型のシギゾウムシ類は木の実に産卵します.皆さんはクリシギゾウムシ C.sikkimensis (Heller) の幼虫には悩まされているのではありませんか. 食べようと思って皮をむいてみると,そこにはすでに先客が!こんな腹立たしい思いをしたことがあるでしょう.この先客のウジムシこそ クリシギゾウムシの幼虫です.栗の実をよく見てください.小さな黒いシミのようなものがついていることがあります.これが産卵孔です. しばらくそのままにしておくと,やがて実に丸い孔をあけクリーム色のウジムシが出てきます.びんに土を入れ出てきた幼虫を中に置いておくと 土の中に潜り込んでいきます.土を乾燥させないよう,またしめりすぎてカビが生えないよう注意して翌年5,6月まで待っていると,土の中から 新成虫がはいだしてきます.


  もどる