1976年(昭和51年)7月16日 (土) 放送
「グランド劇場 八丁目のダメ親父!カンナ・トンカチ・キリキリ舞い」第1回
高層建築ビルが立ち並ぶ街を、カラスを鳥かごに入れ道具箱を肩に担いだ腕利き大工の一が歩く。建材も道具も昔とはすっかり様変わりしてまった。一は死んだ女房の名前を呼びながら、心情をそのカラスに吐露する。
1階がスナックになっている一の家。その日は長男の精一が棟梁として初めて仕事に出る日で、家には赤飯が用意してあった。懐かしい我が家に帰ってきた一は、自分の帰宅祝いのためだと思い込み、その赤飯を食べ出す。
突然キャーという叫び声。スナックのママ、久美の叫び声だった。何事かと家族が駆け下りてみると、そこには7年前、ふいに家を飛び出したまま音信もなかった父親の姿があった。長男の精一や長女の里子は一の突然の帰りに呆れ疎んじるが、一人、次女の弓子は父親の帰りを喜び「おとうちゃん!」と一の胸に飛び込むのだった。