子犬の成長過程について
生後2〜3日でへその緒は枯れて脱落します。
子犬はまだ排泄のコントロールができません。母犬が肛門や下腹部をなめて刺激
すると反射的に排泄して、母犬がこれをきれいに食べてしまいます。
体温調節ができないので、外気温の低いときには部屋を20度以上に保つように
します。この時期、子犬たちは身体を寄せ合いひとかたまりになって過ごします。
体重は日毎に増え、生後7〜10日で出生時の2倍になります。
子犬が鳴くとき
1. おなかがすいているとき
2. 排泄物がたまったとき
3. 身体が冷えて体温が下がったとき
生後10日目くらいから目がうっすらと開き始めますが、まだとろんとした空色をして
います。這い回っていた子犬は、足腰が立つようになり、ゆらゆら歩き出します。
群から離れた所へ行って、おしっこをするようになりますが、まだ完全ではないため
飼い主が気をつけて時々面倒をみてやることが必要です。微温湯で湿らせた脱脂綿
で肛門や泌尿器を軽くマッサージしてやると排泄します。
体重は出生時の3倍になります。
目がはっきりと見えるようになり、乳歯がはえだします。
外の世界に興味を持つようになるので、産室などで育てている場合、出入り口を
作って、自由に出入りできるようにしてあげると良いでしょう。
子犬同士のじゃれ合いも多くなります。母親の後をついてよちよち歩くようになり、
母犬も起ったままで授乳することが多くなります。
体温調節が出来るようになるので、よほど寒くない限り、重なり合うこともなくなり
ます。
離乳食の準備を始め、ごく少量のかゆ状またはポタージュ状のものを1匹づつ
小皿で与えて、少しづつ慣らしていきます。
生後3〜4週間頃、動物病院で検便をして、虫卵が確認されたら駆虫します。
母犬が交配前から腸内寄生虫を持っていた場合には、子犬が体内で胎盤感染して
いる可能性が高くなります。育ち盛りの子犬にとって腸内寄生虫の有無は重要なの
で注意が必要です。
かなり活発に動き回るようになります。随意的に排泄のコントロールが出来るよう
になります。体重は出生時の約7倍になります。
歯がかなりしっかりしてきて、噛まれると痛いくらいです。
母犬は次第に授乳を嫌がるようになります。離乳食をポタージュ状のものから、
徐々に固形分を多くして少しづつ成犬と同じ一般食に近づけながら離乳します。
生後50日頃を目安にするとよいそうです。
子犬が外界に積極的に働きかける時期(特に生後3〜6週間頃)はできるだけ
自由に遊ばせてやることが大切です。子犬をとりまく環境が豊かであれば、その
経験を通して成長も速まり、情緒的にも安定した、しつけや訓練のしやすい気質の
犬になるそうです。
逆にこの時期に、人や犬との社会的接触が少ないと情緒的にも不安定で、少し
の刺激にも極端に興奮したり、泣き叫んだりする犬になりやすく、将来的には臆病で
引っ込み思案な犬になってしまいます。
犬にとって生後4〜12週間がとても重要な意味を持ちます。この時期母犬や兄弟
達と一緒に過ごす中で、犬の社会のルールを学び、犬社会の一員として育っていき
ます。それゆえ、生後1ヶ月前に子犬を親や兄弟から引き離すべきではないのですが、
ペットショップなどでは、かわいい盛りにお客さんを捕まえるために早くに親元を引き
離された子犬たちが多いのも現状です。
また、犬の人への社会化には、生後6〜7週間の時がもっとも大事な時期です。
この時期までに人が撫でてやったり、抱いたり、遊んでやったり十分に世話をして
接触する機会が多いほど、子犬は人に慣れ、人との社会的絆ができてきます。
離乳が終わるまでは母犬の保育を受けさせ、兄弟達と自由に遊ばせながら育て、
生後60日前後くらいに新しい飼い主に渡すというのが、もっとも理想的な方法です。