新解さん

 

子の足の親指にゆんと長かるを隣の部屋に思ひ出しをり

 

書き損じはがきの文字の情けなさ郵便局は近くて遠い

 

体内に長く飼いゐる線虫とともに死んでもいいではないか

 

ぱんぱかと遠足日和おほさか弁喋くりたふしてICOCAで行かう

 

わたくしの中に残れる悲観主義 まだ雨女やめられなくて

 

水圧の低いシャワーを浴びてをりどうせわたしは明日も私

 

翌朝のカレースープがどんよりとああ 脂まで黄色く浮いて

 

わからないことばつかりの人間のばか野郎ですもう崖つぷち

 

「新解さん」ふいに現れひんがしの方角見つつ首かしげをり

 

 

 

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