二十一くんのつぶやき #4
俺には外道で鬼畜で非道な親父がいる。
俺には、鬼畜な親父がいる。
何、前にも言ったって?
そんなことはどうでもいいのだ。
間違いなく、鬼畜なのだから。
何度繰り返したって構わないだろう。
シャルロットさんと知り合った俺は、運命の赤い糸が実在することを確信した。
勿論、俺の小指の先の赤い糸は、シャルロットさんと結びついている。
そう、確定だ。
文句は言わせない。
これが、運命という物なのである。
ビバ、運命。
そう考えていた。
しかしである。
俺には、鬼畜な親父がいたのだ。
それを、すっかり忘れていた。
その日の内に、俺は親父に呼び出された。
何のようだ?
いつもの通り、ぶっきらぼうに親父に話しかける俺。
それから、親父のそばにシャルロットさんがいることに気が付いて、慌てて言い直す。
乱暴者と思われてはいけないのである。
俺は、素晴らしくグレートなプリンスなのだ。
父上、何のご用でしょうか?
「……?」
ちょっとだけ、親父が戸惑ったようだ。
全く、それでは、俺が丁寧な口を利くのが珍しいことのようではないか。
「二十一、この子はシャルロットちゃんだ」
なるほど、俺は納得した。
親父は、わざわざ、俺にシャルロットちゃんを紹介してくれようと言うのだ。
親父、ごめん。
俺は、今まで、親父のことを誤解していたかも知れない。
本当は、いい奴だったんだな。
いや、どころか。
もしかしたら、シャルロットさんは、俺のお嫁さん候補だろうか?
あり得る。
何しろ、俺はグレートなプリンスである。
そして、シャルロットさんは、元お姫様。
充分に釣り合うじゃないか。
良し、グッドだ。
さすがは親父、見る目があるな。
「どうだ、可愛い子だろう」
はい、その通りでございます。父上。
「うむ、二十一も、そう思うか? うむ、グッドだ」
良し、グッドです。
「がははははははははは」
はっはっはっはっはっは。
「まあ、ちょっと、年齢的に問題があるがな」
何を言いますやら。
シャルロットさんの年齢は、13才。
俺、14才。
問題ナッシングである。
「まあ、後二年もすれば、大丈夫だ」
2年後ですか?
まあ、妥当ですね。
頷く俺。
あんまり早すぎるのも、問題だろう。
それくらいで結婚するのが、ちょうどいいだろう。
まあ、俺の方は、今すぐでも構わないのだが、世間に対する目という物もある。
まずは、婚約かな。
そんなことを考えている俺。
「取りあえず、俺様のハーレムに入れよう」
うんうん、問題ない……って?
「どうだ、二十一、羨ましいだろう」
ハーレムって?
おいこら、親父、なぜ、シャルロットさんの肩を抱く。
おい、こら!
俺のお嫁さん候補じゃないのか?
「馬鹿なことを言うな。シャルロットちゃんは、俺様のハーレムに入るのだ」
どっちが馬鹿だ?
俺は、腰に差した刀を、強く握りしめた。
続く
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