二十一くんのつぶやき、番外編
シャルロットちゃんのつぶやき
なんだか、二十一さんの元気がない。
どうしたのでしょうか?
ちょうど、部屋に遊びに来ていたリセットさんに尋ねてみました。
リセットさんは、私のベッドに寝ころび、おせんべくわえて女性雑誌を読んでいました。
その格好から、顔を上げて、私の方を見ました。
目を大きく開いたその表情は、驚き、でした。
「え〜っと、シャル、本気で、心当たり無いの?」
私は、首を傾げました。
私が、何かしたのでしょうか?
「いや、シャルに心当たりがないんだったら、良いんだけど……」
なんだか、奥歯に物が挟まったような口調でした。
リセットさんは、何でもはきはき答える人なのに。
これは、余程のことを、私がしたのでしょうか?
「そんなに深く考えること無いよ」
にひひ、そんな笑い方を、リセットさんはされた。
私など、うらやむほどの美少女なのに、そうした表情もまた似合います。
「そうか、二十一の奴……くくくくく」
堪えきれない、と言う具合に笑い出す、リセットさん。
「うん、グッドね」
なんだか、一人納得しています。
何でしょう。
非常に、気になります。
ここは、一つ、二十一さんに直接尋ねた方がいいのでしょうか?
「え? 別に、気にする必要ないと思うけど。だいたい、二十一と話なんかすると、胎教に良くないよ」
それは、無いと思いますけど。
思い立ったら、吉日ですね。
直接尋ねてみましょう。
私は、そう決めました。
「まあ、それは、それで……」
なんだか、リセットさんのおかしそうなにひひ笑いが、非常に気になりました。
二十一さんは、直ぐに見つかりました。
お城の中庭、池に向かってしゃがみ、足下の石ころを投げ込んでいました。
見るからに、なにやら落ち込んでいます。
私は、近づいて声をかけました。
「こ、これは、シャルロットさん」
驚かせてしまったようです。
二十一さんは、慌てて直立不動の格好をなさいました。
噂では、乱暴者とか聞かされていましたが、実際の二十一さんは、とてもそうは見えません。
「俺に、何かご用ですか?」
二十一さんが、落ち込んでいると聞きましたので。
ご迷惑かも知れませんが、私は二十一さんのお友達のつもりです。
何か、悩みがありましたら、頼りないかも知れませんが、相談に乗れないかと思いまして。
「友達、ですか?」
はい、お友達です。
ご迷惑でしたか?
「いえ、全然……でも、シャルロットさんに迷惑では」
そんなことありませんよ。
お友達が困っていたら、助けになるのは当然のことですから。
「あの、お友達、ですか?」
はい、お友達です。
その後、私はお友達として、二十一さんに悩みを聞こうとしました。
しかし、自分で解決するからと、結局、教えて貰えませんでした。
翌日──
二十一さんがグレた。
そんな話を、おかしそうに笑うリセットさんから聞かされることになってしまいました。
もう一度、今度こそきちんと相談に乗った方がいいのでしょうか?
お友達として……
終わり