無限のリヴァイアス、ショートショート
○○のリヴァイアス
#01
──2225年12月16日、俺達の旅が終わった。
「って言うのに、何で俺達が逮捕されなくちゃならないんだ?」
相葉祐希が、目の前の安っぽいスチール机の天板を叩き、叫んだ。
その勢いで、いかにもな電気スタンドが飛び上がる。
ここは、警察署の取調室である。
そこに、祐希を初め、尾瀬イクミ、カレン・ルシオラ、ラリィ・イエーガー、マルコ・バウル──即ち、ヴァイタルガーダーのメインパイロットをつとめた5人が、押し込められていた。
全員の手には手錠がかけられ、どこか、うなだれている。
イクミ達の表情は、諦観と絶望。
しかし、祐希は決して絶望したりはしない。
最後の最後まで、諦めない。
できることをする。
他人に、自分の運命を投げ渡したりはしない。
それが、相葉祐希の生き方だった。
「君たちが、法を犯したからだ」
係官は、祐希の問いに答えた。
納得できる答えではなかった。
だから、祐希は吼える。
「てめえらが、先に手を出してきたんだろうが! 巫山戯るんじゃねぇ!」
「落ち着きたまえ」
しかし、係官はあくまで、冷静だった。
「そう言うことを問題にしているんではないのだよ」
「じゃあ、何なんだよ。はっきりしやがれ!」
「いいかい──」
係官は、噛んで含めるような口調で、告げた。
聞き分けのないガキに告げるような口調、それが、また祐希の癇に障る。
しかし、ここはぐっと堪える。
「君たちは、リーベデルタ、繰船科第二種の生徒だろう?」
「それがどうしたって言うんだよ」
「つまり、君たちは、パイロットの卵、間違いないね?」
「だから、それがどうしたって言うんだよ。はっきりしやがれ!」
「つまり、そう言うことだよ」
「だから、なんだってんだよ!」
「君たちの罪状、それは──」
「もったいぶるんじゃねぇ!」
「無免許運転だよ」
「は?」
祐希が、祐希らしからぬ、間抜けな顔をした。
「君たちは、未だ繰船科養成課程の途中。つまり、正式な航宙免許は所持していない。それなのに、ヴァイタルガーダーを操縦した。つまり、無免許運転。そう言うことだ」
「ふざけんじゃねぇ!!」
今日一番の祐希の叫びが、取調室に響きわたった。
無免のリヴァイアス
(完)
#02
リヴァイアスの艦内を、エアーズ・ブルーが歩いていた。
その向こうから、たまたま遊びに来ていた灰のゲシュペンストのスフィクス、マーヤが歩いてきた。
両者は、通路の真ん中で向かい合い、立ち止まった。
「……」
エアーズ・ブルー。
「……」
マーヤ。
「……」
再び、エアーズ・ブルー。
「……」
再び、マーヤ。
沈黙だけが、そこにあった。
無言のリヴァイアス
(完)
#03
「ねえねえ、昴治」
逢仙あおいが、相葉昴治に話しかけた。
「なんだよ?」
「あのね、バイア艦って、黒のリヴァイアスみたいに、みんな、色+カタカナの名前を持っているんだよね」
「そうだよ。青のインプルス、深紅のディカスティア、灰のゲシュペンスト」
「うん、それは知ってる。でもさ──」
あおいは首を傾げて、尋ねた。
「他にも2隻いるんだよね」
「ああ、23話のアヴァンタイトルで、良いところ無く瞬殺された奴と、出番すらなかった奴とね」
実際は、出番はあったらしい。
最終話、「そして、いつか、あるとき」の後、隅っこの方にちらりと見えるらしい。
だが、言われてみなければ、誰も気が付かない。
その程度の扱いである。
「それの名前って、どういうモノなの? 例えば、ピンクのヒポポタマスとか言うのかな?」
「何なんだよ、それは」
あまりにあまりなあおいの言葉に、昴治は顔を顰める。
それから、正しい名前を教えようとする。
「確か、深緑のヴァイスハイトと……」
「ふむふむ」
あおいが頷いている。
「もう一つは、ええと、確か、山吹の──」
そこで、昴治はとびっきりの冗談を思いついたかのような顔をした。
「山吹色のオーバードライブ!」
「は?」
「あははははははははは」
戸惑うあおいに対して、昴治の方は、自分の冗談がつぼにはまってしまったらしい。
爆笑を始める。
「あははははははは。──いま俺は笑いたいんだ。あははははは、最高!」
25話の決め台詞まで口にして、お腹を押さえて笑い続ける昴治。
そちらを見るあおいから、表情が消えた。
あまりにも、面白くない。
それで笑い転げる昴治に、殺意に近いまでの怒りを感じる。
あおいの背後に、いつの間にかネーヤの姿が現れる。
まるで、幽波紋(スタンド)の様に。
そして──
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
オラオララッシュが、昴治に炸裂した。
……実際は、山吹のディプロマーターと言うらしい。
波紋のリヴァイアス
(完)
後書きと言うか、言い訳
ぬるい目で見て下さい。
それに尽きます。
済みません。
3つ目なんて、最後の「ん」しかあってないし……
本当に、済みません。
[BACK]