鬼畜王AFTER
プロローグ「王さまのぼうけん」
……こうして、王さまのさくせんで、
悪い白くじらをねむらせることにせいこうしました。
せかいは、すくわれたのです。
みんなは、生きていることをよろこびながら、
地上にもどってきました。
これからは、すーぱーな王さまによって、
あらそいのない、平和なせかいになるのです。
しかし、よろこんでいるみんなに向かって、
王さまが言いました。
「おれさまは、これからたびに出る」
みんなは、これを聞いてびっくりしました。
「どうしてですか、王さま。
王さまは、せかいをとういつしました。
悪い白くじらもねむりにつきました。
もう、もんだいはありません。
王さまは、うはうはな生活ができるんですよ」
けらいの一人が、王さまに言いました。
「悪い白くじらはねむっただけだ。
たいじしたわけではない。
このままでは、またいつ、目ざめるかわからない。
だから、おれさまはたびに出る。
たびに出て、白くじらをやっつけるほうほうを、見つけだす」
みんな、王さまのことばにかんげきしました。
王さまは、みんなのためにうはうはな生活を捨てて、
くなんにみちた、ぼうけんのたびに出るというのです。
「王さま、わたしも連れていって下さい」
「わたくしも、お供します」
つよい騎士。
美しいお姫さま。
みんながつぎつぎに、王さまにねがいます。
しかし、王さまは首をふりました。
「おれさま一人でじゅうぶんだ。
みんなは、力をあわせて、この平和をまもってくれ」
「しかし、一人ではぼうけんはきけんです」
「だいじょうぶだ」
しんぱいするけらいに向かって、
王さまはじしんたっぷりにこたえました。
「おれさまは、むてきだからな。
がはははははははははははは」
こうして、王さまはぼうけんにしゅっぱつしました。
悪い白くじらをやっつけるほうほうをもとめて。
のこされた人たちは、ちかいました。
王さまがもどってくるまで、
みんなで力をあわせ、
この平和なせかいを守ってみせると。
その後、せかいは平和でした。
王さまがもどってくるまで。
いつまでも、
いつまでも。
絵本「王さまのぼうけん」リザース出版
AL4年度刊行より抜粋
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