Analog Turntable (レコードプレーヤー)


アナログレコード
デジタルオーディオと言われた CD が登場して20年以上経ちますが、手軽に音楽が聴ける点については大変重宝していますが...。
私の場合、良い音を手軽に聴ける CD よりも、むしろ 手間隙をかけて、面倒な手順とか機器に触れながら様々な調整を楽しみ、そこから聴こえてくる音を自分好みの音に変えながら、また、 ほんの少しの調整で変わる音の違いも見つけながら聴くアナログレコードがやめられません。
今となってはこのアナログレコードの世界が、まあ、少々? お金のかかる趣味ですが...なぜかやめられません(笑)

たまに昔のレコードを取り出して聴くと、えっー! っていう感動がたまにあります。
昔には存在しなかった低インピーダンスの MC カートリッジを含めて現在販売されているフォノイコライザーユニットなどは、最新技術の進歩と思っています。
さらに、最近の新譜レコードは、レコード盤の重量が 180g〜 200g級の重量盤かつ高音質レコードとして販売されているので音質が良いのです。
私は可能な限り同じアルバムを CD とレコードの両方を購入して聴き比べするのが好きなのですが、明らかに レコードの方が良く聴こえることの方が多いです。
音楽はやはり感動してナンボだと思いますが、そういう意味においてはレコードというのはまだまだ捨てがたい魅力があります。
そもそも昔と違って、レコードの製作までに関わる最新のデジタル機器で最終的にアナログ記録する訳ですから昔のレコードより音が良いのですね。
さらに、その溝をトレースするカートリッジをはじめ、トーンアームやフォノイコライザーユニットなど最新のアナログ機器にも目を見張るものが多いのです。

現在の CD フォーマットでは、おそらく情報量が足りないのでしょうね。
高音質 CD として SACD フォーマットがありますが元々音源の良くない曲を SACD 化しても高音質にはなりません。
むしろ、SACD より 24bit/192kHz リマスター版の CD の方が遥かに高音質で楽しめることも少なくありません。




<長年愛用していたマイクロ精機のターンテーブル 『MICRO DDX-1000』>

トーンアームが最大 3本まで設置できるため、カートリッジの視聴比較などには便利で魅力的な機種として未だに人気の絶えない機種ですが、現在は使用しておりません。




レコードの魅力とは...
それは、まずは媒体として見開きの紙ジャケットの魅力です。
その見開きの紙ジャケット・・・
若いころには、綺麗なお姉さまの悩ましいポーズのアルバムジャケットを見つけると、つい 『ジャケ買い』 したこともありました。   
でも、ジャケ買いしたレコードを聴いて買って良かったと思ったことは一度もなかったですね。(笑)
レコードを聴きながら見開きジャケットに掲載してある情報を一気に吸収する。
当時は今のようにネット社会ではなかったので、ジャケット掲載が唯一の情報源になっていたのも事実だし、逆に購入しないと得られない情報でもありました。
また,特典として小さいポスターやカレンダーとか、今では見なくなりましたが当時流行していた 『ペナント』(観光地の土産物屋で一大ブームを誇った、三角形の旗状のもの)も入っていたこともありました。
今の若い世代には想像出来ないでしょうね。
また、レコードは 100年後も聴けるメディアとも言われています。   
信じられないような話ですが、CD/DVD/BD 等光メディアといわれる媒体は、100年後も品質を保ったまま再生出来るでしょうか?   
答えは、NO!ですね。   
だが、レコードは 100年後も聴けるメディアなのは事実です。  
レコードとはある意味、未来へ向けて確実に音として残すことの出来るメディアではないでしょうか。


レコードの科学
たまに CD とレコードを同時に聴き比べて感じる事は、レコード再生で感じる ”微妙な空気感やライブ会場の雰囲気など ” CD では伝わってこないのはなぜでしょう? って。
そんな疑問に答えたテレビ番組がありました。
所ジョージ氏が MC を務める 『所さんの目がテン!』 という番組で 『レコードの科学』 という題名でレコードと CD の音比べの実験をしていたのを偶然見ました。
結論を先に言いますと、CD しか知らない現代の 20代の若者 10人が良い音だと選んだのは、CD の音ではなくレコードの音を選んだことです。
アナログレコード派の私的には当然の結果なのですが、その内容を私の ブログ に掲載したのでご覧下さい、

この番組で取り上げた 『人に聞こえない範囲の音がレコードには録音されている』 こと。
これが無形の魅力で、アナログレコードの最大の魅力 だと思います。


アナログオーディオの一番の楽しさは? と聞かれたら多分、こう答えるでしょう。   
それは、トーンアームの調整をしたりカートリッジを交換したりする楽しさと武骨なターンテーブル全体を眺めているだけで何故か幸せな気分になれること。
昔から鉄道模型とかカメラなど、機械をいじっているだけで楽しい自分がいました。   
その点、CD は単純にディスクを挿入して再生ボタンを押すだけ...実に味気ない機械だと思います。
再生中に CD プレーヤーを眺めていても楽しくもなんともないのですが、アナログプレーヤーは違います!   
再生中にターンテーブルとかトーンアームなどを眺めているだけでも、何故か暖かい気持ちになれる自分がいます。
アナログレコードの再生原理は理解していますが、それでもレコード再生中、カートリッジの先端などを見ていると音が出ることになぜか感動します。
そして、スピーカーから流れてくる心が和む居心地の良い音がさらに自分をリラックスさせてくれる...。     
この感動は CD では得られません。




【 理想のターンテーブル 】 

理想のターンテーブルとは...

それは、『手で回すと、慣性の法則でいつまでも回り続けるプラッター』 のことです (※ プラッターとは、レコード盤を乗せて回る台のことです)
つまり、慣性モーメントを大きくすれば大きくするほど音が良くなっていくという、究極の音の追求から生まれた理想的なターンテーブルの事です。
もちろん、プラッターが重くなれば軸受けにかかる負担は何倍にもなるため、摩擦抵抗の小さい精巧な軸受の開発が不可欠。

また、ベルト (糸) を通してプラッターを定速回転維持させるモーターについては、トルクが強いモーターではなく、回転を維持するのに必要な最小トルクモーターが必要不可欠なのです。
小トルクは、モーターの振動が小さくなるため結果的にSN比も向上します。
逆にトルクの強いモーターは音を悪くするという説がありました。
ただし、小トルクモーターは重いプラッターを自力で回し始めることが出来ないため、回り始めは手で重いプラッターをまわしてやらなければならないことです。
実は、この手で回す動作自体が、マニアック的な感じて憧れていた頃もありました。

ノッティンガム (Nottingham) のターンテーブルがそうであるように、 手で回してあげないと重いプラッターが回らない小トルクモーターを採用している機種も少なくないのです。
この点については私が現在所有している 2台のターンテーブルの内 Clearaudio Champion Magnum がそれに該当します。

昔、ダイレクトドライブの全盛期だった 1970代に 『ダイレクトドライブ以外は時代遅れ』 という風潮がありました。
確かに回転ムラ、SN比など測定値を見る限りにおいては、ダイレクトドライブの優位は明らかでした。

しかし、ダイレクトドライブ方式における 『コギング現象』 についてはあまり触れることはなかったのです。
コギングとはマグネット用語で、Coggingモータにおいて電機子と回転子との磁気的吸引力が回転角度に 依存して細かく脈動する現象。
わかりやすく言うと、極ごとにカクッカクッと、つんのめるように回っているモーターのことをいいます。

このことはメーカー側も理解していて、対策としてモーターの極数を増やしたり、プラッターを重くしたりしていました。
そうすることによって、 回転数を円滑にしてコギング現象を極力減らしていたのです。
当時、ヤマハのように理論上、コギングが発生しないモーターを採用するメーカーも 少なくなかったです。

このようなことから、理想のターンテーブルとは...
『小トルクモーター+慣性の法則 = 理想のターンテーブル』 像が生まれました。

今、まさに高い評価を得ているターンテーブルにダイレクトドライブ方式はありません。
さらに、プラッターも巨大 化し重量化傾向にあるのはご存知のとおり。






それでは、前置きが長くなってしまいましたが、私が現在愛用している 2台のターンテーブル+αのプレーヤーを紹介しましょう。


遂に買ってしまった、密かに欲しかった VPI Classic Turntable  
VPI Classic Turntable

それは、独自の最新技術が投入されており、仕上がりが私好みのクラシカルなイメージの VPI Classic Turntable です。
VPI 社からは数多くの種類のターンテーブルが米国内で販売されていますが、日本国内においては、何故か 数機種の輸入・販売に留まっています。
いずれにしても世界各国から高い評価を受けている VPI のターンテーブルですが、本機以外の機種についてはデザインがいまいちと感じる私でした。
一方、本機は私好みのクラシカルなデザインで、 キャビネット仕上げがウォルナットとブラックオークの2種類で、ブラックオークの方を密かに欲しいと思っていたターンテーブルでした。

本機は、2009年1月米国ラスベガスにて開催された世界最大級のエレクトロニクスショー 『International CES 2009』 にて発表され、同年6月に発売された同社創業30周年を記念するアナログプレーヤーです。

特徴は、新開発の重量級 (8.8kg) アルミ製プラッター。
そしてMDF + スチールプレートによる一体型ヘビー・コンパウンド・キャビネット。
総重量 23kgを超える本体は高いハウリングマージンを確保し、再生の難しい低域周波数も高解像度で再現し、さらに重心の低い高品位な再生能力を誇るお気に入りのアナログプレーヤーです。 
  
アームは、ユニークなユニ・ピボット/オイルダンプ機能付きの 10インチアーム JMW-10.5i SE を標準装備

キャビネットは、私好みの 『ブラックオーク仕上げ』 を選択
さらに、テフロン+真鍮製軸受けを採用したインバーテッドベアリングをはじめとして、アナログ再生技術の進化を象徴する VPI 独自の機能の数々が、クラシカルなリアルウッド突き板キャビネットにまとめられています。
アナログ再生の最先端を追求しながらも原点を再び見つめなおす、そんな同社のアナログ哲学と歴史を総括する自慢のアナログプレーヤーです。

           品   名                             型   番
アナログ・ターンテーブル VPI Classic Turntable
   フォノイコライザーユニット Accuphase AD-2850
   トーンアーム VPI JMW-10.5i SE
   カートリッジ audio-technica AT-33PTG/U
   RCAフォノケーブル オヤイデ電気 PA-2075 RR









理想のターンテーブルに近い Clearaudio Champion Magnum
Clearaudio Champion Magnum

世界でもアナログオーディオに一番力を入れているドイツの Clearaudio 社のターンテーブルです。   
これはドイツの職人技が活かされている製品なのです。   
さらに、とんでもない工作精度がないとできないパーツを導入している製品でもあります。  
なぜか見ているだけで幸せになる、この製品...   
開封した時に一番最初に目に入ったのが 『白い手袋』
セッティングは、すべてこの白い手袋をしたまま行い、その後のメンテナンス時などもこの白い手袋をはめて行っています。

アームは、イギリス REGA 社の最高級アーム 【 RB-700 】 を搭載
本製品は、2006オーディオ銘機賞 ≪アナログディスク関連部門≫ 受賞モデルで 10周年記念の特別モデルです。   
特徴は、REGA 社最高級 ダイナミックバランス型 RB700 トーンアーム搭載し、70mm の超極厚、5.0kg の重量級超高硬度アクリルプラッターを採用。   
さらに、小トルクの超精密シンクロナスモーター、ベルトドライブで極厚の無共振、ブラックアクリルボードベース、独自の大型インシュレーターを搭載し静かさとダイナミックさを両立している、まさに 『理想のターンテーブル』 により近い製品だと思ってます。


           品   名                             型   番
アナログ・ターンテーブル clearaudio Champion Magnum
   フォノイコライザーユニット Accuphase AD-2850
   トーンアーム REGA RB-700
   カートリッジ audio-technica AT-33EV
 







以上、2台のターンテーブルを紹介しましたが、実は他にも所有している、ある意味、便利なプレーヤーを 1台紹介します。



ION AUDIO ” Vinyl Motion IATTSO18 ” 

ステレオスピーカーと充電式電池を装備しているため、どんな場所でも使用できる Portable Suitcase Turntable です。

本機は、レトロなスーツケースを模したボディに、充電池やステレオ・スピーカー、USB端子を備えた、オールインワン・アナログ・レコードプレーヤーです。
内蔵のステレオ・スピーカーでのリスニングはもちろん、ヘッドホンでのリスニングや、RCA端子で接続してご自宅のコンポから出力することも可能です。
更に内蔵充電池搭載なので、場所を問わず様々なシーンでアナログ・レコードが楽しめます。

また、アナログ・レコードのリスニングだけでなく、本機はUSB端子を装備していますので、コンピューターやiOSデバイスに接続するだけで、 付属の EZ Vinyl/Tape Converter ソフトウエアを使って簡単にレコードの音声をデジタル・ファイルに変換できます。
EZ Vinyl/Tape Converter ソフトウエアには自動的にトラック毎にファイルを分割する機能が搭載され、変換後に手軽にCDに焼いたり携帯音楽 プレーヤーに取り込むことが可能です。
ちなみに、iOS用のアプリはApp Storeから無料でダウンロードできます。













アクリルカバー


アナログプレーヤー本体は、使用しない時など埃などから本体を保護するためにアクリルカバーが必要です。
それぞれメーカーオプションとして販売されているものの、その価格には驚きを隠せないほど高価な価格ばかりです。
そこで、アクリルケースを1ミリ単位でオーダー発注できるサイトを利用しました。
そのサイトは、アクリルケースオーダーメイドの ヒョーシンネット です。
オーダー指定も豊富で、アクリル板の厚さから外観的なノーマルタイプから背面ミラータイプ、そして台座の必要有無の選択など安価で品質の良いケースを作成して貰えます。
しかも簡単入力で見積もり金額も簡単に表示される仕組みになっていますのでお薦めします。











これからレコードプレーヤーを買うなら...

最近レコードプレーヤーが復活してきた感じで、電気店の店頭で良く見かけることがあります。
しかしながら、それらの多くは 『レコードが聴ける』 というだけで、とてもいい音が出るようには思えないものがほとんどです。
海外製品にはアナログに力を入れているメーカーも多くありますが、本格的なプレーヤーは大抵 50万円もしくは100万円以上します(汗)

そこで、私としてはレコードプレーヤーの黄金期 1970年代に製作されたプレーヤーの中古購入をお薦めします。
これらの製品はオークションでも多数、取引されているので比較的入手しやすいです。
中でも日本を代表するマイクロ精機(MICRO精機)のプレーヤーがお薦め。
単純な構造なのでモーターさえ壊れていなければ大丈夫。
唯一の問題はゴムベルトが消耗品であることですが、ダメになったら自分で糸に交換すれば使えます。
さらに、オークションなどではアーム付きで程度のよさそうなものも多く見かけます。
DD方式(ダイレクトドライブ)は絶対にやめたほうがいい...という方がいますが、私のように非クォーツの DD ならお勧めします。





プレーヤー以外に必要なもの
それは、カートリッジ 、つまりレコード針です。
DENON DL-103 (発売時期:1970年4月)
1970年に発売され、今も製造販売されている超ロングラン製品です。
1個1個手作りによる高品質・高音質などが超ロングランを保っているのでしょうね。
DL-103は精密技術者が1個1個丹念に手作りによって仕上げ、性能も厳しい規格を満足する迄調整された高信頼度の高級カートリッジです。
発電方式:ムービング・コイル形
出力電圧:0.3mV(1000Hz 50mm/sec水平方向)
インピーダンス:40Ω±20%(1kHz)
負荷抵抗:100Ω以上(トランス使用の場合は別)
コンプライアンス:5×10-6cm/dyne(レコードで測定)
針圧:2〜2.5gr



再生方法は、使っているアンプに PHONO 入力端子がなければ、イコライザーアンプを単体で購入し、普通のライン入力端子に接続すればOKです。
また、PHONO 入力端子はあっても、MC ヘッドアンプが内臓されていなければ、MC トランスを単体で購入すれば良いでしょう。
私の経験上で申し上げれば、ヘタな PHONO アンプを使うより、MC ヘッドアンプの方がクオリティーが高い事が多いです。

カートリッジは好みで選べば良いのですが、音がニュートラルで値段もお手頃な MC 型の DENON DL-103 がお薦めです。

現在でも安定供給されているというのもありがたいし。
また、AMAZON など安価でかつ送料無料で入手できます。




















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