あなたのことを知ってから40年。
あなたが過去を引きずったり、拘ったりなさる方でないのは、百も承知しています。
また、その長く偉大な足跡の中にあっては、作品の数や時間的なことから考えれば、
70年代のことなど、ほんのわずかな一握りのことに過ぎないのかもしれません。

しかし、記しておかなければ、いつしか忘れ去られてしまうし、歪曲もされていく。
それは、あなたの原点であると同時に、感受性豊かだったあの頃を "美代ちゃん"と
共に過ごした私たちにとっては、かけがえのない大切な思い出でもあるのです。

週に一度、家族のみんなをほのぼのとした気分に転換させ、次の日への活力を与えてくださったあのドラマ・・・自然に明るいあの姿。

けっして望んだものではなかったはずなのに、私たちのために歌い続けてくださった日々・・・ あの瞳、あの心地よい声に、毎日どれだけ癒されたことか。

見終わっても涙が止まらず、しばらく席を立てなくなるほどに感動させてくださったあの映画・・・・自分の子どもに明日香と名付けた人が実際にいたのです。

今さら何をと思われるかもしれません。
それでも、あの日を知る私たちは断言します。
これらは、あなたでなくしてはけっして為し得なかった偉大な功績なのです。

あなたは、かつて自らの著書の中にこう記されました。
「テレビの中の美代ちゃんを、いくら好きで想ってはいても、それは誰もが一度は
かかるはしかのようなもので、いつか他に熱中するものができると忘れてしまう」

確かにその通りでした。
しかし、あなたはひとつ肝心なことを忘れていたと思います。
それは、あなたが浅田美代子だということです。

私たちは、もう一度、あなたが残してくださったこれらの記憶の宝物を振り返り、
あなたに、あらためて感謝したいと思いました。

あなたはこれからも演じ続け、またほのぼのとした姿を見せてくださり、
かたや命の尊さを訴え続けていかれるのだと思います。
私たちも、そうあってほしいと願っています。

あなたが信じて選んだ道は、けっして間違っていない。
あなたの活躍はこれからも記憶され続け、その思いは人々の心に届く。
そして、あなたが浅田美代子である限り、
その功績は、それを知る人を通じていつまでも語り継がれる。

私たちは、そう信じています。

2013.2.14. 　
あなたを敬愛する者を代表し本コンテンツ制作者記す