WORK
LEGEND
CONTENT LIST
時間ですよ 昭和元年

第1回
東京は湯島にある亀の湯。姑のつねが孫の忠治に見合いの話を持ってきた。ところが、忠治は見向きもせずに、今まで隠していた恋人の信子を突然連れて来て「結婚したい!」 と言い出す。母のてるは猛反対。 美代は湯島へのお参りの帰り、帝大生が偶然に落とした岩波文庫を拾い運命的な出会いをする。 恋愛にあこがれ兄の結婚にも賛成する。

第2回
遊び仲間の写真館主人・江口が見せびらかすエロ写真を迫力がないとけなした平八郎。女房のてるの裸の方が上等だと変な自慢をし、調子に乗って、てるの裸を風呂場で覗かせると約束してしまった。だが、てるは風邪ぎみで風呂に入らないと言う。

第3回
平八郎がエッちゃんを叱ったことが原因で、浅太郎たち亀の湯の従業員がストライキ宣言。東雲節で気勢をあげている時に、つねが電話をハサミで切って感電・・・さあ大変。一方、忠治に勧められて平八郎夫婦が江口写真館で花婿花嫁姿で写真を撮ることになった。

第4回
浅太郎が平八郎に吉原の様子を教えてくれと頼む。実際に経験がない平八郎は「あした連れて行ってやる」と約束。二人が浅太郎の見合い話で出かけるものと信じたてるは、一張羅の紋付袴を用意する。だが、おせっかいな江口のために真相がばれてしまう。

第5回
つねのもうろくはひどくなるばかり。そのくせ何事にも関心旺盛で、口出しだけは人一倍。そんなつねが、浅太郎と口論の途中で急に脳卒中の発作・・・。医師は「今度倒れたら命の保証はない」と宣告。大騒ぎしているところへ、忠治がベソをかいて帰ってきた。

第6回
信子が果物を持ってつねの見舞いにやって来た。ところが、その信子が急に胃痙攣の発作を起こして大騒動! 発作のおさまった信子は、美代と一緒に食事の支度を手伝うのだが、せっかく作ったお汁がまずかったことから、平八郎に怒鳴り散らされた。

第7回
いつまでも男の子のようだった美代が、やっと女になった。平八郎は複雑な思いで、てるの炊いた赤飯を食べる。しかしその席に忠治がいない。日曜日の朝ぶろにしては外が騒がしい。エントツのてっぺんに誰かいる。誰かと思えば忠治だ。町内は上へ下への大騒ぎになった。

第8回
新婚の忠治と信子に喜んでもらおうと、てるとつねがそれぞれプレゼントを用意した。選んだ品は偶然、同じ洋服ダンス。おもしろくない二人ははげしく対立。平八郎は二人のいやみ合戦についに癇癪を爆発。亀の湯に火をつけようとする。

第9回
亀の湯に現れた浅太郎の弟の時宗は、つねと意気投合。つねを相手に毎日遊び暮らす。「働かざる者食うべからず」とてるの攻撃を受けても、時宗は「がんばるのっていやなんだよ」とケロリ。一方、美代は信子に「帝大生が好き」と打ち明けた。

第10回
飲み屋「喜楽」の女将・お菊にイカれている平八郎と浅太郎。ある日、稲荷詣での途中で腹痛を起こしたつねを背負って中年男・山本が亀の湯へ。この山本は沼津の組の親分で、客分の十郎と逃げたお菊を追っているのだった。侠気を見せる平八郎。

第11回
年末、余計に金がいる浅太郎と忠治。てるのお札が1枚無くなった。家族も従業員も裸になって無罪を主張。置いたところにお札を返しておくようにと言うてる。お札は3枚返ってきた。返した人間を挙手で調べると4人もいる。裏には美代の淡い恋心があった。

第12回
亀の湯一家の正月。雑煮にイクラがのせられた。信子は、気味が悪いが、涙を流しながら食べた。初湯。なぜか2代目の寺内貫太郎と猿が飛び込んで女湯は大騒ぎ。信子が吐いた。月足らずの妊娠とつねが言いふらした。びっくりしたてるが信子に聞くと・・・。


第13回
照ったり降ったりで陽気がおかしい。人間もおかしくなった。つねは駄菓子屋から赤い櫛を盗んでしまう。亀の湯へ忠治の妻と名乗る女が飛び込んできた。信子はびっくりして気絶。「チチキトク」の知らせで忠治が亀の湯に帰ってみると・・・。


第14回
女正月の藪入なのに帰るところのないエッちゃん。侠気を出した浅太郎が映画見物に。アキ子も親許へ帰ったフリして外で時間をつぶした。江口に勧められて美代をマネキンガールにしたい平八郎。美代も「あたい、やる!」と大乗り気。つねがこの話に張り切った。


第15回
風呂屋の流しを廃止する気運が高まる・・・と新聞に書かれ浅太郎は三助仲間を集め「俺たちは絶対にやめない」と気勢をあげる。一方、何も知らずに平八郎とてるが課長にあいさつに行くというので大慌ての忠治。信子は胸を痛めながら弁当を作るのだった。


第16回
平八郎夫婦は、それとなく美代に見合いをさせようとしたが、たちまち気付いた美代は家を飛び出してしまう。そんな所へ侯爵の娘と付き人が入浴に。紋付き袴で改まる平八郎。背を流す浅太郎も夢心地。ところがこの美しい主従がとんだ食わせ者だった。


第17回
二百三高地で戦死した息子の霊を弔うため満洲行きを決めた大久保につねが同調。自分もヘソクリの百円をはたいて満洲へ行くという。自分を行かせてくれと頼む忠治。だが、つねは応じない。いよいよ出発の間際に大久保の会社が倒産。満洲行きの悲願は。

第18回
近ごろ帝大生・木島の姿が見えないので美代は食事ものどを通らず、すっかり恋煩いに。そんな折、松井三吉という見知らぬ男から美代に付け文・・・。三吉が有名な乾物屋の息子とわかり、てると信子は指定されたミルクホールへ美代を行かせてみた。

第19回
忠治の面接試験の日を迎えソワソワする亀の湯の一同。ひとりつねだけが意味ありげに張り切っている。だが、古時計が時刻を間違えたばかりに面接が不調に・・・。その日、なぜかつねは古時計に懐かしげに語りかける。忠治が怒って時計を壊し、泣き出すつね。

第20回
雪の降りしきる2月26日の仏滅の日。急に縁起をかつぎ出したつねは干支や方位などに口うるさくなる。仏壇から火ばちの位置まで移動して亀の湯は女湯の入り口しか使えなくなったりで大騒動。だが、女運を良くしようとした忠治が怪我。信子も酒乱に。

第21回
家の住人のことなら懐具合から体の調子までお見通しというのがてるの自慢。それが気にいらないつねは、内緒でチンドン屋のビラ配りをやって小遣い稼ぎ。信子の貞淑さが重荷の忠治もある日、友だちを誘って散在し、付け馬を連れて帰った。

第22回
「1日に1円は稼ぐんだ」と浅太郎が悲壮な決意。原因は天神下で、1、2の売れっ子芸者〆奴らしい。心配するてるの忠告も馬耳東風。その〆奴が亀の湯へ・・・。「これは本物だ」と平八郎。ある日、浅太郎が思いつめた表情で「〆奴と駆け落ちする」と言いだす。

第23回
おばの見舞いに日参する信子の帰りがいつも遅すぎるので気がかりな忠治とてる。そんなある夜、酔ったカフェの女給が男湯に現れた。そのあとを追って店のマスターまでが・・・。「小夜子!」と呼ばれたその女給の顔を見て、てるはびっくり。なんと信子だったのだ。


第24回
気を利かしたつもりのつねが、子供たちの額にサインして湯銭を只にしてやる。ところが子供は種痘をしたばかりで親たちは怒った。むくれたつねはシビンと水筒を持って番台に座りこみ、いやがらせを始める。てると平八郎はなだめるのに一苦労。


第25回
珍しくてるが熱を出して倒れた。「アタシが代理をやる」と張り切るつね。預金通帳から実印、それに浅太郎たちの積み立てまでも預かって、ひとりで家中を仕切るつもり。だが何もかも自分でやりすぎたあげく、大事な預かり物が行方不明に。


最終回
平八郎が知人の借金の保証をしたのが原因で、千五百円の金を作らないと亀の湯が人手に渡ってしまう。有り金をかき集めても三百円が精一杯。一家は、浅太郎たちの奉公先を段取りして八王子へ引っ越す覚悟をする。そんな矢先、心中を決意した十郎・菊から遺書と金が・・・。