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われは海の子

第1回 勇気
健太郎は、ある日、万引きと間違えられた少年を不憫に思い、文房具店の壊れたショーケースの弁償代金を払ってやった。少年の姉の愛子は、同情は受けたくないと健太郎を訪ね、代金を突き返し、健太郎と言い争いになる。


第2回 誤解
香織という美しい女性が健太郎を訪ねてきた。健太郎の妹とは知らない愛子は気になってしょうがない。ある日、健太郎に剣道を教わる信一が不良仲間に襲われる。愛子は、無抵抗だった信一に、"男は戦うべきだ、戦わないならこんなものは要らない" と竹刀を叩き壊してしまう。


第3回 約束
愛子は、亡父の親友・立花が修学旅行用のカバンを送ってくれたことに腹を立て、自分の修学旅行用の積立金をおろして信一に剣道着を買ってやる。だが信一は、愛子が金の出所を言わないため受け取ろうとしない。愛子は弟のことを健太郎に相談しに行く。


第4回 友情
健太郎の誠実さに、次第に愛子はひかれていく。また、信一も健太郎を慕い、姉が買ってくれた剣道着を着て練習に励むようになった。一方、健太郎の親友・俊介は香織に頼まれ、九州へ帰って家業を継ぐよう健太郎を説得する。余計なことだと怒った健太郎と、万願寺の境内で取っ組み合いの喧嘩になり、朴念に引き離される。その日、香織から手編みのセーターが俊介に届き、それが健太郎に来たものとは知らない俊介は有頂天になる。


第5回 兄妹
香織が再び上京した。健太郎と香織の兄弟は、貧しく修学旅行に行けなくなった愛子を東京見物に連れていく。ある晩、したたか酔って帰り、短大時代に付き合いのあった社長令息と結婚すると、健太郎に宣言する。心配した健太郎が調べてみると、とんでもないプレーボーイだとわかり、相手の男を訪ねてみることにする。


第6回 縁談
万願寺の住職・朴念の一人娘・節子が夫と離婚し、娘のまゆみを連れて戻っていた。健太郎は美人の節子にすっかりイカレてしまう。ある日、まゆみに父から浴衣地が届いたが、節子は取りあげてしまう。可哀そうに思った健太郎は、その浴衣を手に入れ、まゆみのため愛子に仕立てを頼みに行く。


第7回 失踪
節子の再婚の相手と思われる男が朴念を訪ねてきた。節子が気になる健太郎はおもしろくない。ヤケになってモーターボートをぶっ飛ばす。


第8回 暴力
信一はある男を木刀で殴ってしまう。母の厚子が亡父の親友・立花と抱き合っているのを見たというからだ。信一は停学。心配する厚子に信一は一層反抗的になり、自信をなくした厚子は、盛岡の実家へ帰る決心をする。


第9回 対決
万願寺の庫裏にこもって大学院の研究論文をまとめる健太郎を訪ねて、父の大造が熊本からやって来た。だが、健太郎は父親に門前払いをくわしたうえ、書類を抱えて俊介の家に逃げるようにして行ってしまう。香織のとりなしも健太郎の耳には入らない。


第10回 初恋
十円玉を拾った信一は、落とし主の女性と知り合いになる。金持ちの女子大生ですごい美人だった。ポーッとなった信一は毎日のように会いに行く。父の三回忌の日もデートに出かける始末。健太郎は信一に本心を訪ねるが・・・人に恋したことで信一は母や姉の苦しみを悟った。


第11回 慕情
健太郎は、車にひかれそうになった幼児を危ういところで助けるが、自分はケガをしてしまう。それを知って愛子は、万願寺に運びこまれた健太郎のところへ血相を変えて駆けつける。一方、俊介は香織に知らせるため熊本へ。香織は丁度見合いに行くところで、俊介に見合いをこわしてくれと頼む。


第12回 オカリナを吹く少女
愛子が通う港町の女子高校に、明るくさわやかな美少女が転校してきた。その転校生は成績優秀で明るくさわやかな性格だった。彼女は数学の試験で満点をとり、80点だった愛子は闘志を燃やすが、ある日、健太郎と彼女が楽しそうにオカリナを吹いているのを見た愛子は勉強に身が入らなくなる。


第13回 愛を告げる日
朴念がいつになく上機嫌なのは、娘の節子が再婚を真剣に考え始めたからだ。朴念とは裏腹に健太郎はすっかり意気消沈してしまう。節子の娘のまゆみは、再婚相手の男にはなつこうとせず、父親に会いたがる。心配した健太郎は偶然を装って父娘を会わせた。しかし、節子の怒りをかったばかりか、結局、節子は別れた夫のもとへ。健太郎は失恋の落胆に旅に出る。


第14回 高原から来た少年
失恋の痛手を癒すため旅に出ていた健太郎が、見慣れない少年を連れて一週間ぶりに帰って来た。その少年は健太郎が過ごした高原の牧場主の孫で、父親が病死した後、母親が出稼ぎに出て以来、他人とはほとんど口をきかない少年になっていた。その少年がなぜか健太郎を慕って付いてきたのだ。自分の身の上話を聞かせてくれた愛子に少年は心を開き始める。愛子の友人・早苗たちは健太郎と愛子の仲を元通りにしようとする。


第15回 父と子と舟唄
健太郎たちの住む漁村で、日本人を父に持つインドネシア人の混血少年が上陸しようとして密航で逮捕された。父の顔を知らぬその少年は、父に一目会いたいと密航してきたのだった。父を思う気持ちに共感を覚えた信一は、健太郎に少年の父親捜しの協力を頼む。


第16回 湖畔に愛が燃える
香織が万願寺を訪ねてきた。熊本の実家を出て東京で暮らすつもりだという。健太郎は香織をわがままだとなじり、俊介が好意を寄せていることを話す。それを聞いた香織は、見合いを断るため俊介を利用したことを恥じ、俊介に詫びを言おうと俊介ら空手道部の合宿先の本栖湖畔を訪れる。そこで俊介とボート遊びに興じた香織は思い切って俊介にプロポーズする。


第17回 27年目の母
早苗は、五万円のビキニを買うため週刊誌のモデルになったが、母親にしかられ、週刊誌回収のため市内を買い回る。一方、健太郎のもとに義母の明子から手紙が届く。一枚の古ぼけた写真が同封してあり、赤ん坊を抱いた若い母親が写っていた。「健太郎・三か月」と裏に書いてあり、健太郎を生んで数か月で死んだ母親の写真だった。手紙には「健太郎さんのお母さんの写真が見つかりましたので同封します」と書いてあった。健太郎の心はゆれ動く。


第18回 二つの恋のゆくえ
俊介は香織との結婚をとりやめると健太郎に告げた。香織と結婚すると健太郎が阿蘇に戻らなければならなくなるからだ。俊介のおもいやりを知った健太郎は俊介に結婚を強く勧める。そして自分は九州へ帰る決心をする。


第19回 三人の母の物語
義母の明子が健太郎を訪ねてきた。俊介に婿入りを頼みたいという。婿入りならば結婚を反対している夫・大造も納得すると考えたのだ。明子は俊介の母親に話をつけに行くが、俊介の母親は話を聞いて婿入りの結婚に反対する。

第20回 いま和解のとき
健太郎は、妹の香織と親友の俊介との結婚の許しを得ようと、父の大造と会うため熊本に帰った。はじめて聞く話に「勝手にしろ」と怒る大造に、健太郎は、二十七年間の父とのわだかまりを一気に噴き出した。大げんかの後、健太郎は大造に、義母と二人で暮らすといい放った。


最終回 明日への旅立ち
愛子への気持ちを確信した健太郎は、愛子の母・厚子に愛子との結婚を申し入れる。しかし愛子はまだ高校生。しばらくそっとしておきたいという厚子の気持ちも理解できた。健太郎は愛子への気持ちを一旦胸にしまい、商船大学の卒業遠洋航海へと出発する。