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LEGEND
CONTENT LIST
しあわせの一番星

久慈美世子
浅田美代子
西城秀樹ファンのお手伝いさん 中学を卒業したばかり 16歳
東条英雄
西城秀樹
西城秀樹にそっくりなクリーニング屋の店員
西城秀樹
同上
クリーニング屋の店員にそっくりな人気歌手 ヒデキ
神山周造
山形勲
警察を定年退職し間貸しの下宿屋を営む 妻を先になくした
神山夕子
篠ヒロコ
周造の娘 恋人を追って家を出る ほどなく赤ちゃんを生む
ジャネット三原
ジャネット八田
神山家の2階に間借りしている美人 実は女スリ

配給
松竹
監督
山根成之
脚本
石森史郎
音楽
高田弘
宣伝コピー
力いっぱい働いて、明日の幸せを祈るの・・・
恋の一番星、ほら みつけた・・・
主題歌
浅田美代子「しあわせの一番星」
挿入歌
浅田美代子「赤い風船」、西城秀樹「愛の十字架」「薔薇の鎖」
夏木マリ 「お手やわらかに」、篠ヒロコ「霧雨の人」
ロケ地
神奈川県鎌倉市
完成試写
松竹会館 第一試写室 1974年(昭和49年)3月19日 16:00から 
映倫審査
1974年(昭和49年)3月19日  No.17922
上映時間
1時間26分 6巻2,368m
封切
1974年(昭和49年)3月30日
興行成績
初日動員3,710(土曜) 興行日数14 動員29,270(東京4館計) 一日平均2,090
同時上映
涙のあとから微笑みが 主演:森田健作 吉沢京子

概略
山梨県身延山近くの村から鎌倉にお手伝いさんとして就職してきた美世子と前時代の遺物のような価値観を持つガンコ親父が繰り広げるほのぼのとした、またたいへんややこしいストーリーの映画。

美世子は就職先に行くのもほっといてヒデキの公開録画を見に行ったり、ガンコ親父以上に屁理屈をこねたりといきなりハチャメチャ。しかし玉ねぎを切ったりする包丁さばきは意外と見事。ガンコ親父の方も、元スリ係の部長刑事のクセに、いとも単純なスリの手口に引っ掛かったり、歌が嫌いだとかいいながら、無邪気にしあわせの一番星を口ずさんだりと、明治生まれの男にしてはしまりがない。話の進行には殆ど関係の無いОLが2階に間借りしていたり、年齢差がよくわからない受験生の兄弟が隣に住んでいたり、女スリが働く銀座のクラブに夏木マリさんがいたりとか、この映画の内容を説明するのはたいへん難しい------。

初めての主演映画、そして劇場映画での本格的な演技への取り組みに、美代ちゃんはとても張り切って撮影に臨んだのだそうだ。しかし完成した試写を見て、自分の演技がイメージと違うのにがっかりし、あらためて演技の難しさを痛感したという。

主役である美代ちゃんの登場するカットはわずか10日あまりのうちに撮影。撮影所に近い鎌倉が舞台設定にされているあたり、制作の苦労がしのばれる。サウンドトラックに収録されている「しあわせの一番星」は約4%ほどスピードが遅く、美代ちゃんの声が妙に低く聞こえる。当初、美世子は、公開された内容よりもう少し方言の目立つ素朴な少女のキャラクターとして設定されていた。主題歌の題名変更に合わせ「一番星みつけた」という原題から、企画途中で「しあわせの一番星」へと改題された。

あの頃、誰もが好きで憧れた美代ちゃん。あのしぐさ、あの歌、あの笑顔、そしてお手伝いさんの役。この映画は、あのころの美代ちゃんのイメージそのままを映しだした作品だ。まさしく美代ちゃんが、しあわせを運んでくれた映画だったと思う。汚れた世の中にあって、一人の少女が持つ明るい笑顔が誰かの心に光をなげかけ、楽天的な話が現実と感じられたら----とは、本作品の制作にあたって監督が記したメッセージの主旨である。