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寺内貫太郎一家

第1回
小鳥がさえずる東京の谷中は今日もさわやかな朝だというのに、貫太郎は不機嫌。貫太郎が不機嫌なのは、長女の静江が勝手に妻子ある男と交際し、その相手の男が家に挨拶にくる日だからだ。男に会いたくない貫太郎は理由をつけて外出しようとするが、妻の里子らになだめられ、いやいやながらも会うことに。男は連れ子と一緒にやってくる。親として、相手の男は憎いが、無邪気な子供はかわいい。


第2回
寺内家の長男・周平の大学受験が3日後にせまった。何かというとすぐ雷を落とす貫太郎にせめて3日間は我慢するようにと申し渡す里子。当の周平は、貫太郎の雷が落ちないことをいいことに、ガールフレンドを呼んで大騒ぎ。ガールフレンドが帰ってからの寺内家は案の定一騒動。周平にしてみれば、家の者が気をつかって、そっとされるほうが落ち着かなかったのだ。その騒ぎの中にミヨちゃんは「やめて!」と割って入った。


第3回
親類の結婚式に貫太郎と出かけた里子は、おばあちゃんに留守を頼む。ところが、何を勘違いしたかおばあちゃんはすっかりめかしこんで結婚式に出かける支度を始めた。が結局は留守番だとわかって、おばあちゃんは大むくれ。みんなにいやがらせをはじめた。まず、静江に好きな人がいるのを知りながら、見合いの話を進めるが、雨降って地固まるで、あべこべに静江と相手の上条の仲は進展する。おばあちゃんは帰ってきた里子や貫太郎に縁起直しの塩をかけたり、夜中に発煙筒を炊いたり。


第4回
周平の大学試験発表の日。朝から合格でも不合格でも対応できるように、周囲は気を使って大変。ところがふとしたことから、周平は姉の静江の足のけがの原因が自分にあるのではないかと疑い始め、里子やおばあちゃん、岩さんにまで探りを入れるが、皆からかわされてしまう。寺内家で静江の足のことを話すのはご法度なのだ。周平は結局、2度目の大学受験にも失敗。里子は、周平を呼び、静江が怪我をした日、そしてその8日後周平が生まれた日の貫太郎の日記を周平に見せる。


第5回
石材組合寄合寄進の土俵開きの日が近づいた。土俵入りすることになった貫太郎は、親方からけいこをつけてもらった。太刀持ちになった石工のタメは、翌日ひどい風邪をひいてしまった。寺内家に引き取られ看病をうけることになった。みんなのいたれりつくせりの看病に、タメは内心嬉しかった。だが、かえって家庭の暖かさにタメは孤独を感じた。周平が、家族の心づかいがわずらわしいと、家を出てアパートに住みたいと言い出した。


第6回
おばあちゃんが風邪で寝込んでしまった。ミヨちゃんが風邪薬と下剤を間違えて、おばあちゃんに飲ませてしまった。急に腹痛を起こしたおばあちゃんに、家じゅうが大騒ぎ。医者を呼ぶことにしたが、かかりつけの医者とおばあちゃんは犬猿の仲。ところがやってきたのは若くてハンサムな医者。とたんにおばあちゃんばかりか、里子までがソワソワしだした。またもや貫太郎の雷が落ちる。大騒ぎの原因が自分にあると思い込んだミヨちゃんは、下剤を飲んでしまう。


第7回
貫太郎が酔っ払って帰ってきた。それも芸者を3人つけての堂々たるもの。精魂こめて作った仕事の記念の除幕式の二次会で、うれしさのあまりつい飲みすぎてしまったのだ。傍若無人の振る舞いにも里子は文句の一つも言わない里子。おばあちゃんもあきれてしまう。親父の帰りを待っていたのが周平。だがしびれを切らして外出したまま外泊。周平は谷川岳行きを許してもらおうとしていたのだ。翌朝、貫太郎の雷が落ちる。


第8回
里子が美容院へ行った。毎日家事に追われて忙しい里子の、年に一回の芝居見物の日なのだ。ところが、出かける間際になって、貫太郎やおばあちゃんがあれこれ用事をいいつける。そのうえ、タメにお金を貸したことを貫太郎に怒られ、殴られてしまう。芝居に出かけることもできない。遂にみんなの用事はもう一切引き受けないと里子はストライキを宣言。


第9回
静江が黙って就職しようとしていた。娘を外に出すのがイヤな貫太郎は反対する。給料を出すから、家で働けという。静江は承知し張り切った。そこへ上条からデートに誘う電話が入った。貫太郎はひそかに上条のことを調べさせていた。それによると、上条は別れた前妻と会っているという。貫太郎は心配して静江をデートに行かせない。


第10回
貫太郎と岩さんが喧嘩した。岩さんはかっこつけて「御免なすって」と寺貫を出て行ってしまう。貫太郎も意地になってしまった。里子は何とか岩さんをとりなそうと、一升持って出かけようとする。おばあちゃんが、行かないほうが利口だと引き留めた。一方、岩さんのアパートでは2階から水が漏って、部屋中水浸しの大騒ぎ。今度の汽車で故郷へ帰るからと、岩さんは布団が濡れても平気な顔。そこへ貫太郎がやってきた。


第11回
日頃は威勢のいい貫太郎だが、今日は別人のように元気がない。里子や家族たちはどうしたことかと心配する。周平が何とか元気を出させようと、貫太郎が癇癪を起すように仕向けるのだが、それも効き目がない。岩さんの息子が、岩さんを養老院へ入れようという話を持ってきたのだ。偶然にパンフレットを見たおばあちゃんは、貫太郎が自分を養老院へ入れようとしていると勘違い。


第12回
ミヨちゃんは、夜、何か習い事をしにいこうと張り切っていた。だが、近頃のお手伝いはお嬢さん気どりだと、おばあちゃんに嫌味を言われ傷ついた。昼食のとき、例によって貫太郎の癇癪が起こり、止めようとした里子を貫太郎は殴った。ミヨちゃんは貫太郎に、おかみさんに手をついて謝らなければ私はご飯を食べないと、ハンスト宣言をした。


第13回
貫太郎が出した大事な仕事の手紙が先方に届いていなかった。ミヨちゃんが頼まれたのに、タメにまた頼みをしたのが原因。怒る貫太郎の前でかばい合うミヨちゃんとタメ。それがきっかけで、なんとなく2人は仲良くなる。花くまに、ミヨちゃんも年頃だから気をつけなよと、言われ気になる貫太郎。ミヨちゃんとタメが話しているのを見て、ついカッとなってしまう。


第14回
家の掃除をしたり貫太郎の肩をもんだり、なぜか周平のサービスがいい。何か魂胆があるらしい。案の定、友達がやってきて徹夜のマージャンを始めた。友達の1人が貫太郎より先に風呂に入ったり、やることなすこと貫太郎の気にかかる。我慢していた貫太郎だが、岩さんが一生懸命に彫った向かい獅子におしっこをかけたことから、ついに堪忍袋の緒が切れた。


第15回
静江が上条の子のマモルを預かった。貫太郎に無断だったので里子は心配だ。だが、貫太郎の子供好きを知っているおばあちゃんは、マモルと2人きりにした方が良いという。案の定、マモルを相手に仲良く遊ぶ貫太郎の姿に静江もひと安心。ところが、マモルが静江の足を引きずる様のまねをし始めた。貫太郎がやめなさいと言うが聞かない。貫太郎は思わずマモルを殴ってしまう。


第16回
おばあちゃんと周平と花くまがグルになって貫太郎をかつぐたくらみ。上野の西郷さんの真似を貫太郎に頼みたいと電話があったという。が、かつがれたと知って、貫太郎は3人をぶっとばした。運悪く、そこへ花くまの見合いの相手が訪ねてきた。さあ大変。花くまは大慌て。2人のまんざらでもなさそうな様子に、貫太郎はまかしとけと胸を叩いた。


第17回
静江が、マモルを連れてきた。楽しそうに貫太郎や静江と遊んでいる。上条が前妻と今でも会っているかどうか気になって、おばあちゃんはミヨちゃんを上条のアパートへ見に行かせたばかりか、上条の別れた前妻と話をつけようと周平と出かけた。


第18回
静江の24回目の誕生日が来た。里子は祝ってやろうとミヨちゃんを魚屋へ使いに出した。そこでミヨちゃんは、静江が恋人の上条の子供のマモルを連れて買い物をしているのを目撃してしまう。貫太郎は静江が通帳や大事にしている目覚まし時計を持って出かけたことに気がついた。静江を連れ戻そうと貫太郎は息巻く。


第19回
寝起きの悪い周平に、寺内家では今日も朝から親子喧嘩が始まる。そんな時、おばあちゃんの部屋の雨漏りの修理に静江の幼馴染の屋根職人が来ることになった。だが兄妹のようにふざけあったり、昔を懐かしむ2人にとうとう貫太郎のカミナリが落ちる。

第20回
お祭りの日、貫太郎の家がおみき所になったので、朝から大忙し。その日はミヨちゃんのお母さんの一周忌だった。みんながお祭りで浮かれているので、ミヨちゃんはそうだと言い出せない。ミヨちゃんは、ふてくされていると見られてしまい貫太郎に怒鳴りつけられてしまう。花くまは、近所の墓地でお母さんの歳に近い人の墓を探し1人で拝んでいるミヨちゃんの姿を見る。


第21回
タメと花くまに騙されて貫太郎は生まれて初めてストリップを見た。翌日、貫太郎は歯が痛くて気が立っていた。周平宛に届いた小包の中身はいかがわしい写真ばかり。昨日の夜の自分を恥じてか、近頃の若い者はふしだらだと怒りだす。

第22回
おばあちゃんを熱海に静養に送り出して、ほっとしている里子は、友達を呼んでパーティをするんだと楽しそう。そこへ、なんとおばあちゃんが引き返してきた。団体用の料理がまずいので腹が立ったという。鬼の留守にと思っていた計画がダメになってしまう。


第23回
久々に大阪から帰った岩さんを囲んでの食事の最中、おばあちゃんが岩さんの古いラブレターを持ち出したので大騒ぎ。一方でマモルの看病に行った静江は、訪ねてきた前妻とマモルの仲の良い様子にたまりかね、部屋を飛び出した。その夜、上条は貫太郎を訪ねた。


第24回
浮気をして家を追い出された親戚の直子が寺内家に居候中。和服の似合う美しい直子に周平は恋をしてしまった。周平と直子は2人で留守番をすることになったが、留守中、直子の夫から離縁すると電話が入る。絶望した直子は自殺をはかるが、危ういところで周平に助けられる。周平は動揺し、夕食の時、大学に行くのをやめて直子と結婚したいと言い出した。


第25回
友人の息子の結婚式でスピーチを述べることになった貫太郎は、朝っぱらから練習に余念がない。珍しく、その夜は上条とマモルを食事に招待しようとご機嫌。だが、上条は昼から出張に出かけ、マモルのお守りに上条のアパートへ行った静江はうっかり朝まで寝込んでしまう。


第26回
テレビのニュースで、東京・鴬谷で火事があり寺内貫次郎一家が焼け出されたことを伝えていた。貫次郎は、今まで消息が知れなかった貫太郎の腹違いの弟。貫太郎は、おばあちゃんが制すのも聞かずに、あわてて家を飛び出していく。貫次郎に再会した貫太郎は、貫次郎一家を家に連れてくる。


第27回
貫次郎が家に来てから、貫太郎は機嫌が良い。おばあちゃんは、ミヨちゃんから上条のアパートを教えてもらい、内緒で貫次郎と一緒に出かける。貫太郎も内心は静江のことが気がかり。そんな折、前ぶれもなく上条が寺内家を訪ねて来る。


第28回
居候中の貫次郎の息子の和夫は予備校通い。貫太郎は甥の和夫にはからきし甘く、寝坊も食事時間も本人の意のままに許す。豆腐屋の貫次郎は、出来立ての豆腐を持ってやって来るが、そんな和夫のわがままを責め取っ組み合いの大喧嘩。せっかく持ってきた豆腐がめちゃくちゃに。



第29回
貫太郎のところへ、貫次郎が銀行借入の保証人になってくれと頼み込んできた。話を聞いた貫太郎は、資金を用意してやろうと考える。そこへ税務署員が調査にやってきて、経理を静江に任せていた貫太郎は大弱り。それを見た里子は、ミヨちゃんを静江を呼びにやらす。一方、おばあちゃんは、なんとあこがれのジュリーに出会う。

第30回
おばあちゃんは、ミヨちゃん相手に怪談話。なぜか水に絡んだ話になった途端、そばにいた貫太郎は真っ青になりおばあちゃんをぶっ飛ばす。話を聞いてみると、戦時中、空襲の折に水をほしがる1人の女を見殺しにしたことがあるという。なんと、その女が貫太郎を訪ねて来る。

第31回
貫太郎は記念碑の落成式で料亭に招待された。梅次という芸者と出会い、帰りに箱根にでも行きたいと誘われ有頂天。帰宅してきた貫太郎があまりにも上機嫌なので、里子とおばあちゃんは静江のことを話しそびれる。

第32回
今日は日曜日、おばあちゃんは里子たちと一緒に貫次郎の家へ遊びに出かけた。貫次郎夫婦から心のこもったもてなしを受ける。帰りの遅いおばあちゃんに貫太郎はいらいら。そのころ、上条のアパートを前妻の幸子が訪ねていた。

第33回
火事で焼け出された貫次郎の家の新築が始まり、おばあちゃんは里子と陣中見舞いに。ところが、大工の棟梁がやたらに兄貴風を吹かせ、貫太郎と衝突。留守中、へそくりがなくなり、おばあちゃんはミヨちゃんを疑い大喧嘩になってしまう。

第34回
田舎から送ってきた蔵出しを持って、花くまが一緒に飲もうと貫太郎のところへやって来た。ところが貫太郎はそれを断る。今日は20年前に静江が足に怪我をした日で、毎年この日を足の記念日として貫太郎は酒もたばこも断つのだ。

第35回
周平の部屋で、おばあちゃんは掃除中にひっくり返り、死んだふりをして里子たちを驚かせた。それを知って貫太郎はおばあちゃんをぶっ飛ばす。貫太郎は上条を訪ね、静江を正式に嫁入りさせたいと言う。寺内貫太郎一家の話も大詰めに向かう。

第36回
貫太郎が音頭をとり、上条を交えて寺内家で月見をすることに。そこへ新聞社からおばあちゃんにインタビューの申し込みがあった。新聞に載ることが夢だったおばあちゃんは大喜び。そんなある日、寺内家を訪ねてきた行商人は、なんとおばあちゃんの幼馴染。昔はお嬢さんだった娘の落ちぶれた姿だった。

第37回
寺内家で静江と上条の結納が取り交わされた。さすがに寂しさを隠しきれない貫太郎を見て、岩さんは静江に親方のそばにいてやれと言う。周平が結婚式場の変更を言い出し、貫太郎は怒りだす。

第38回
やっと出来上がってきた静江の白無垢の花嫁衣装。それに憧れたミヨちゃんは、つい袖を通してしまい不注意で口紅をつけてしまう。激怒する貫太郎。いくらなんでもと里子も怒る。皆のあまりにもひどい怒り方に、ミヨちゃんが本当の家族でないことが原因だと思った周平は、ミヨちゃんと結婚すると言い出す。だがミヨちゃんは、憐れみは受けたくないと、逆に周平に怒る。

最終回
静江と上条の結婚式の日、貫太郎は今日を限りに石屋をやめると宣言する。仕事ももう断っているし、石工たちの再就職先も段取りしてあると。皆は驚き貫太郎を責めるが、貫太郎の意思は固い。ひとり岩さんだけが、貫太郎の気持ちを理解する。貫太郎は静江の怪我の責任から、静江の幸せの願掛けのために石屋を続け、いつか静江が結婚する日が来たら石屋をやめると決めていたのだ。静江は、それなら私が結婚するのをやめると言い出す。周平は父親と姉の気持ちを悟り、自分が寺貫を継ぐことを決心し、貫太郎に弟子入りを願い出るのだった。